シティ情報ふくおか
1994年6月-2
価格:250円
特集 森へ
【CONTENTS】
■特集 森へ
■ライナーノーツ 海辺で飲むワインは…、
■福岡発トラベルマガジン・ちっき 香港解体新書
■音楽 喜納昌吉
■なるほど図鑑 太宰府政庁
●ライナーノーツ
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●週末計画
・イベント早見カレンダー
●前売情報
●音楽
・コンサートガイド
・音楽イベント
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・ニューディスク
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・ロードショー
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・イベントスケジュール
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●ブック
●ガンボ(おたより)
・なるほど図鑑
・ラメカメラ
●プレゼント
●編集後記
●マルチプル封筒
●フクオカシティマップ
特集 森へ
かつて人間は、森に囲まれ、森の恵みを受けて暮らしていたという。木の実を摘み、野生動物を狩り、大木の下で雨を凌いだ。やがて人間は文明を生み、森の外へと生活の場を移す。平地を耕し、稲を植え、家畜を育て、そしてさらに田畑を、牧場を築くために森の伐採を始めた。しかし、ある時日照りや洪水が作物を枯らし、田畑を流したとき、人は神の存在が必要になった。飢えに苦しみ、病気が蔓延し、人は神に祈る他なかった。神は森にいると人は信じた。常に美しい緑を蓄え、恵みの水を田畑へ送ってくれる森。森は天と地を結び、神が降りる場所…聖域として考えられるようになったのだ。
幾千年が過ぎ、我々は山々の緑を見て、美しいと感じる。我々は森が湿度や気温を保ち、気象をもコントロールすることを知っている。酸素を生み、堆肥となり、多くの動植物を養う一方で、樹木の根元に水を蓄え、水害を防ぎ、また風災害からも、我々人間や小動物、低植物を守っていることも知っている。型とおりに森のありがたさを知っている。しかし、森を感じることはなくなった。森の中で、森の怖さ、森の優しさを感じることを忘れてしまった。
森へ行こう。人と自然が最もシンプルに向き合える、森に行くという行為を今ここで見直したいと思う。